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WordPress サイトのパフォーマンスを改善する方法

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WordPress サイトのパフォーマンスを改善する方法を紹介します。

比較的実践のハードルが低い方法から順に並べました。

1. 最新の WordPress を使う

WordPress の開発においてはパフォーマンスが重要なテーマとして掲げられており、継続的にパフォーマンス改善の取り組みが行われています。

古いバージョンの WordPress を使っている場合は最新バージョンの WordPress にアップデートすることでパフォーマンスの改善が期待できます。 古いバージョンの WordPress には既知の脆弱性の問題もあるため WordPress は原則最新版を使うようにしましょう。

2. 新しいバージョンの PHP を使う

PHP も WordPress と同様にパフォーマンス改善の取り組みが継続的に行われています。 PHP のバージョンを上げるだけでサイトのパフォーマンスが上がることがよくあります。

レンタルサーバーサービスの多くは PHP のバージョンを切り替えられる機能を提供しています。 レンタルサーバーで古いバージョンの PHP を使っている場合は新しいバージョンへの切り替えができないか検討してみましょう。

ただし、 PHP のバージョンによっては WordPress 本体やテーマ・プラグインが対応していないこともあります。 2024 年 2 月時点で WordPress 6.4 の PHP 8.3 はベータサポートとなっています。

WordPress 本体の PHP サポート状況は次のページで確認できます。

3. PHP の設定を最適化する

サーバーのマシンにおける PHP の設定を変更できる場合は PHP の設定を適切化することでパフォーマンスが改善できることがあります。

4. 新しいバージョンのデータベース・ウェブサーバーを使う

データベース( MySQL / MariaDB )やウェブサーバー( Apache など)も一般に最新版の方がパフォーマンスがよいので、可能なら最新版を使いましょう。

5. サーバーのマシンスペックを上げる

サーバーのマシンスペックがパフォーマンス上のボトルネックになっている場合は、マシンスペックを上げることもパフォーマンス向上に直結します。 レンタルサーバーの場合は同居している他の利用者の影響を受けるため、他の利用者の負荷が高くてパフォーマンスが下がる可能性もあります。 そのような場合は、レンタルサーバーから VPS や専有のサーバーに載せ替えるだけでパフォーマンスが改善されることもあります。

5. サイト訪問者から近い場所のサーバーを選ぶ

サイトの訪問者が多い地域に近い場所にあるサーバーを使うことでもパフォーマンスは向上します。 日本国内からの利用がほとんどの場合は、海外のサーバーよりも国内のサーバーを選んだ方が一般に安くてより良いパフォーマンスを得られます。

6. キャッシュを利用する

基本的に WordPress はページにリクエストがある度に WordPress のコードを一通り実行して動的にページの HTML を生成します。 もしリクエストごとに内容が変わらないページや処理があれば、キャッシュを導入するとパフォーマンスが改善できます。

「キャッシュ」と一口に言ってもさまざまなタイプのものがあるので、原因に合った適切なキャッシュを選択することが重要です。

  • PHP キャッシュ
  • ページキャッシュ
  • ブラウザキャッシュ

レンタルサーバーによっては無料や安価で WordPress サイト用のキャッシュ機能を提供しているものもあるので、それらの利用も検討しましょう。

なお、 WordPress には多くのキャッシュプラグインがありますが利用には注意が必要です。 中には、過度に複雑なものや余計な処理をしているもの、他のプラグインとの相性が悪いものもあります。 キャッシュプラグインを導入するとかえって逆効果になる場合や思わぬ副作用で担当者の時間を浪費してしまう場合もあるので、キャッシュプラグインは慎重に選ぶようにしてください。

7. アセットファイルを軽量化する

画像や動画、 CSS 、 JavaScript などのアセットファイルがパフォーマンスを悪化させている場合は、それらを軽量化・最適化することも有効です。

画像や動画の軽量化

画像や動画の場合はサイズ・フォーマット・品質などを最適化することで、サイト訪問者に提供する価値はほぼそのままでパフォーマンスを大きく改善できることがあります。 サポート対象をモダンブラウザの最新版に絞るなどすれば、 JPEG や PNG に代えて AVIF や WebP などのより優れた新しいフォーマットの利用も有効です。

CSS や JavaScript の軽量化

CSS や JavaScript のテキストファイルの場合は最小化や圧縮をすることで通信量を数分の 1 程度に減らすことも可能です。

8. アセットファイルの読み込みタイミングを最適化する

画像や動画、 JavaScript などのアセットファイルの読み込みタイミングを最適化することでサイト訪問者の体感のパフォーマンスを向上できます。 具体的には <img> <iframe> <script> タグなどの HTML 内での記述場所や loading async defer 属性を適切に設定します。

9. CDN を使う

アセットファイルをユーザーに近い場所から配信する CDN の導入もパフォーマンス向上に有効です。 ただし、訪問者の多くが日本国内から利用する国内向けのサイトの場合は CDN のインパクトはそう大きくありません。

10. 外部アセットの prefetch や preconnect を有効にする

外部のドメインから提供されるアセットがサイトにある場合は prefetch や preconnect の指示をすることで訪問者の体感パフォーマンスを改善できます。

11. パフォーマンスを悪化させるプラグインをアンインストールする

利用しているプラグインの中からパフォーマンスへの影響の大きいものがないかを調査し、もしあればプラグインのアンインストール・削除を試みます。

WordPress にはさまざまな機能を提供する多機能で複雑なプラグインがたくさんあります。 それらはプラグイン開発の知識や手間がかからずに利用できて便利ですが、プラグインの利用数が多くなればなるほどサイトのパフォーマンスは下がります。

無用なセキュリティリスクを避けるためにも、プラグインは絶対に必要なもの以外はすべてアンインストール・削除するようにしてください。 絶対に必要と思っていたプラグインでもパフォーマンス面でのデメリットがあまりにも大きいものについては利用を見直すことも必要です。

12. データベースを最適化する

MySQL などのデータベースは長期間使っている一般にパフォーマンスが低下します。 データベースの最適化処理を定期的に行うことでデータベースのパフォーマンス低下の影響を減らすことができます。

また、 WordPress にはデフォルトで「リビジョン」と呼ばれる過去の投稿の内容を残す機能が備わっています。 サイトのページ数が多い場合や更新の頻度が高い場合は、古いリビジョンを削除したりリビジョンの数を制限したりすることでデータベースの肥大化とパフォーマンスの低下を防ぐことができます。

参考