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WordPress でサイト名を変更しても反映されない問題の原因と解決方法
WordPress でサイト名を変更したのに実際のサイトに反映されない問題について解説します。
WordPress でサイト名を変更してもサイトに反映されない問題が発生する原因はさまざまです。 以下に考えられる原因と対処法をあげていきます。
A. 対象のサイトが間違っている
本番環境と開発環境など、作業対象のサイトが間違っているパターンです。 サイト管理にあまり慣れていない方が作業を行ったときによく起こりますが、ある程度経験のある方でもたまに起こりうるミスです。 WordPress.org のフォーラムでもこのパターンをときどき見かけます。
解決方法
ブラウザのアドレスバーに表示される URL をよく見て、変更を行ったサイトと確認しているサイトが違っていないか確認してください。 違っていれば正しいサイトで作業と確認を行ってください。
B. プラグインがサイト名を書き換えている
プラグインがサイト名を書き換えているパターンです。 WordPress ではフックシステムを利用してプラグインがサイト名を変更することができます。 サイト名に関わる処理を行うプラグインの典型は SEO 系プラグインです。
解決方法
サイト名の変更が反映されない問題の原因がプラグインにあるかどうかを検証する最もシンプルで確実な方法は、プラグインを一度無効化することです。 プラグインを無効化したときに問題が解消されたら、そのプラグインがサイト名が反映されない原因を作っています。
プラグインに原因があることがわかったら、プラグインのデバッグまたは無効化を行います。 WordPress.org で配布されたプラグインの場合はイシュートラッカーやフォーラムで検索すると解決策が見つかることもあります。
Note
WordPress のサイト名は内部的にはデータベースの wp_options
テーブルの blogname
というキーのレコードで管理されています。
例えば次のようなフィルターフックの実装をプラグインが行っていると、サイト名が差し替えられて表示されます。
C. テーマがサイト名周りで独自の実装をしている
テーマがサイト名周りで独自の実装をしているパターンです。
例えば、コーポレートサイトなどではサイト名の代わりにロゴ画像をヘッダーに表示することがよくありますが、その実装をするためにロゴ画像とその alt
テキストがテーマのテンプレートにハードコードで実装されることがあります。
本来はサイト名を上述の blogname
から取得して表示するのが正しい形ですが、サイト名の変更は一般に珍しく、ハードコードで記述した方が開発都合では楽なこともあり、オリジナルテーマの開発ではよく行われています。
その場合はもちろん WordPress の設定でサイト名を変更してもサイトには反映されません。
解決方法
サイト名の変更が反映されない問題の原因がテーマにあるかどうかを検証するシンプルで確実な方法は、テーマを一時的に別テーマに切り替えることです。 テーマを切り替えたときに問題が解消されたら、そのテーマが原因だと考えてよいでしょう。
なお、切り替えた先のテーマも独自の実装をしていると原因の特定が難しくなるので、検証に使うテーマは WordPress 本体に同梱されているデフォルトテーマなど独自の実装が少ないテーマを使うようにしてください。
テーマが原因であることがわかった場合はテーマのデバッグを行います。 WordPress.org で配布されているテーマや購入したテーマの場合は作者に問い合わせてみるとよいかと思います。
D. キャッシュが残っている
サイト名変更前のキャッシュが残ってしまっているパターンです。
WordPress サイトではサイトの高速化・ SEO のためにキャッシュ機能が使われることがよくあります。 キャッシュ機能はサイトの高速化に非常に効果的ですが、適切に管理されないと思わぬ挙動をもたらすこともあります。 例えば、サイト名変更前に描画されたページがキャッシュとして残っていると、サイト名変更後でも変更前のページがしばらく表示され続けます。
解決方法
キャッシュには次のようにさまざまな種類のものがあり、そのクリア方法はキャッシュの種類によって異なります。
- ブラウザキャッシュ
- リバースプロキシのキャッシュ
- ウェブサーバーのキャッシュ
- WordPress のキャッシュプラグイン
方法の詳細は種類によって異なりますが、キャッシュがサイト名変更が反映されない問題の原因の場合、一般的にはキャッシュを手動削除するか、有効期限切れでキャッシュが再生成されるのを待つかすれば問題は解消されます。
Note
レンタルサーバーがキャッシュ機能を提供していることもあります。 レンタルサーバーをお使いの方は自分で設定した覚えがなくてもレンタルサーバーが提供するキャッシュ機能がどうなっているかもチェックするようにしてください。
E. データベースに問題があり値の更新ができない
WordPress が利用するデータベースに何らかの問題がありレコードの更新処理ができないパターンです。 これは正確には「変更が反映されない」のではなく「変更ができない」パターンです。 原因としては、データベースマシンの不具合や過負荷、ディスク容量の空きスペース不足などさまざまなものが考えられます。
データベースが正常に動作していない場合は、サイト名などの設定の保存だけでなくサイトのさまざまな部分に影響が出ることが一般的です。 現象としては、サイトのページが数回に一度表示されなくなったり、ページの描画が途中で止まったりするようなことが起こったりします。 ですので、サイト全体で挙動が不安定な場合などはこのパターンの可能性を疑うとよいでしょう。
解決方法
データベースが正常に動いているかをチェックします。 具体的には、サーバーの稼働・リソース使用・ディスクの空き状況とデータベースログなどをチェックするとよいかと思います。
データベースに原因があることがわかった場合は、データベースの差し替えや不要なデータの削除などを適宜行ってください。
細かくあげると他にもいろいろなパターンがありますが、一般的によくある原因はこのあたりなのではないかと思います。 ぜひ参考にしてみてください。
確認時のバージョン
- WordPress
6.6.2